『戦略がすべて』~あらゆる分野で活かせる戦略の話、

『戦略がすべて』

瀧本哲史/新潮新書/2015年12月20日

 

~感想~

 決められた分野での戦略ではなく、応用することで様々な分野で活かすことのできる戦略を紹介している本である。冒頭は、AKBなど多くの人が知っているが他の分野にで活かすのは難しい分野で始めることで、読者をひきつけるような戦略があって、読んだ私もその戦略にやられ、楽しく読むことができた。戦略はどの分野でも結果を左右するものだと思うので、読んで損はない本であると思う。

 

~この本から学んだこと~

コモディティ化=特定のジャンルにおいてどの商品の品質も同じように高まって代わり映えしないこと

・人を売るビジネス(アイドルなど)の3つの壁

①どの人材が売れるかわからない

稼働率の限界

③売れれば売れるほど契約の主導権や交渉力がタレントに移る

・AKBが成功したのは、色々な人材にチャレンジさせ、市場の反応や時代のニーズに合わせて自ずと選択させたから

・プラットフォームビジネスの有利な点は、顧客と参加者によって付加価値が増すこと

・プラットフォームビジネスは1度強いのを築き上げれば利益を独占し、リスクを回避できる

・プレゼンテーションで重要なのは、「聴衆がなにを求めているのか」を知ること

・日本の優位性は洋の東西の違いを超え、技術と伝統を融合させるところ

・大企業と中小企業の違いはスキルの高低より、社員に与えられる資源量と給与差がつくこと

・資本主義の基本は、分業と熟練が暗黙に前提される

・人間の判断とコンピューターを組み合わせることができれば一番強い

・企業は3つの市場にわかれる。商品市場、資本市場、人材市場

・衰退する企業の前兆は大量採用

・先見性のない人が転職すると失敗する

・楽勝できることを徹底的にやるのが強いビジネス

・表だけではなく、裏の人への投資も重要

・合議制(多数決)は決して良い結果を生まない

・資本主義は少数意見が多数意見を取り込み逆転することで最大価値となる

・トップマネジメントはジェネラリストでならなければならない

・教養として知識を学ぶことと同様に、多様な人的ネットワークを構築する努力が大事

・都市の人口増加は今後加速する

・日本の将来像やビジネスモデルを考えるヒントは転がっている

・炎上するコンテンツを好む人もいる

・ネットの世界では危険な思想を助長させやすい

・新聞や広告は見出しで釣って商売する

・自分の意見を固定化してしまうと、自分は絶対間違っていないというバイアスがかかる

・若い者が新しいものを取り入れやすいのは古いパラダイムを知らないから

・身近にすでに起きている小さな未来をたくさん持って、知っていることが重要

・会社には年功序列と自発的に成長、競争させる2つのモデルがある

イノベーションダイバーシティの組み合わせから生まれる

・同じ部活の人は同じキャリアを歩むことが多い

・自分の属している組織の特徴を理解して客観視することが大切

受験英語は論理的思考力や判断推理力を測定するもの

・大学で学ぶべきことは、仮設を立て、リサーチを重ね、自分なりの結論を導き、他者に説明する

・資本主義は資源配分の効率を高めることで、全体のパイを最適化する。全員が上手くいくことはない

ブラック企業はそれだけの付加価値を与えないから失敗する

自治体同士も競争している

・古くて効率の悪い企業が淘汰されることで労働者が救済される

・ブランドロイヤリティを獲得するには、機能の合理性より、不合理なイメージ性やストーリーの訴求が効果的

・組織労働の法則=その人が無能と判断される職階まで昇進させ、長く留まらさせるのが最適

・地方議員には良い人材が埋まっている

・全く違うルートを開発し、これまでのルールを変える者が勝利する

・日本は初期に成功を収めても、戦略がないから失敗する

・メソッドを学ぶだけではなく、実戦することで能力が上がる

・身の回りに起きていることを勝つ戦略を考え続けることで良い戦略が生まれる