『ハーバードの心理学講義』~人の行動を科学する本、
『ハーバードの心理学講義』
ブライアン・R・リトル/大和書房/2016年7月1日
~感想~
「人の行動を科学する」という表現が非常に似合う本である。人がどういう思考で行動を起こす、それを徹底的に検証している。大学で研究している人とかに取ったら物足りない内容かもしれないが、オリジナリティのある見解であると感じた。
~この本から学んだこと~
・人は他者を客観的に解釈していると思いがち。実は個人の感情や経験の影響を受けている
・人は決断をする上で様々な評価基準を持っているが、それが少なく、否定されると何もできなくなる
・核となる評価基準に異変生じると、大きな感情的反応を伴い、強い抵抗感を生む
・タイプ別に分類する心理テストの結果を人間は信じやすい。信じた結果無意識に自分をそのタイプに寄せてしまう
・誠実性の高い人=予測しやすい環境は得意。期間内でタスクを完了させる。変化が激しい環境は苦手
・内向型の人は人と接すると脳が覚醒しやすい。だからこそ、1人でいる時間などの刺激が少ない状況を使って覚醒レベルを下げる必要がある。外向型の人は逆
・外向型の人は内向型の人に比べて痛みを感じにくい
・アルコールは脳の覚醒レベルを下げる効果があるからこそ、内向型の人が饒舌になる
・自己イメージと他人からのイメージは、「本当の自分」である可能性と人には見せない「パーソナルスポット」である可能性がある
・アメリカ人は外向型の人が多い
・人間には固有の性格もあるが、「変化できる性格」も持っている。この特性はその場に合わせるのには役立つがやりすぎると心の負担になる
・生まれつきの性格を抑え続けると、自律神経が覚醒し、健康が悪化する
・セルフモニタリング(自分を客観的に見る能力)が高い人は状況に合わせるのが上手く、低い人は性格が行動に出る
・脳の覚醒レベルをコントロールすることでミスやストレスを解消できる
・自己を知るには客観的が大事
・敵意や不安が高まってきた時、心の中で「ストップ」と言うと感情の高まりを抑えることができる
・クリエイティブに見える人の中にはナルシストでアピールしているだけの人もいる
・幼少期の引っ越しが多い人は適応力が上がるなど、経験がパーソナリティに影響を及ぼす
・世の中を変えるのは一人ではできない
・インターネットは和を広げてくれることもあるが、ストレスになることも多い
・定量的な目標の方が達成しやすい
・幸福度にもっとも悪影響なのは「ストレス」
・コアプロジェクト(生活の中心になること)は、誘惑に勝ちやすく、継続しやすいが、辞めざるを得なくなった時に生活の質が損なわれる
・内発的なプロジェクトは外発的なものよりうまくいきやすい